2017年7月23日日曜日

Eテレ『SWITCHインタビュー:俳優・満島ひかり×人類進化学者・海部陽介』を観た→想像力が仕事力!



先日、NHKのEテレで放送したSWITCHインタビュー。

俳優・満島ひかり×人類進化学者・海部陽介の会を観ました。

……というか、元々観るつもり無かったのに、いつの間にか全部(55分間)観ちゃいました。

引き込まれますね、自分の知らない世界のプロフェッショナルたちのトークセッション。

今回は、それを少し紹介しつつ、感じたコトを記します。

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満島ひかりとは

紹介は、他サイトに譲ろうと思います。

via 満島ひかりの生い立ちから現在まで - タレント辞書

海部陽介とは

研究分野

  1. 化石の形態解析による人類進化の研究(古人類学)
  2. 過去1万年間におけるヒトの顔面や骨格の形態変異の研究(骨格形態人類学)

研究内容

化石の形態解析と現地調査を通じて、アジアにおける人類進化・拡散史の解明に取り組んでいる。原人の到来・進化から、現生人類(ホモ・サピエンス)の拡散・文明の成立に至る、過去200万年間が研究対象である。さらに狩猟採集(縄文)・初期農耕(弥生)から近代までの各フェーズが揃う、世界でも稀な日本の古人骨コレクションの特色を生かして、文化の発達と骨格の変化の関連についても調べている。

via 研究と標本・資料 ≫ 研究者紹介 :: 国立科学博物館 National Museum of Nature and Science,Tokyo

番組概要

最近はテレビ離れが進んでいますからね(汗

番組自体の概要もお知らせしておきます。

達人達が見ている景色、お見せします。

異なる分野で活躍する2人の“達人”が出会い、語り合う。ただし、単なる対談番組ではありません。

番組の前半と後半でゲストとインタビュアーを「スイッチ」しながら、それぞれの「仕事の極意」について語り合い、発見し合う、いわばクロス×インタビューです。

via SWITCHインタビュー 達人達(たち) - NHK

今回は、俳優・満島ひかりと、人類進化学者・海部陽介のクロス×インタビューの会でした。

ざっくり要約

これも公式サイトから引用させていただきます。

番組前半では満島さんが海部さんの勤務する東京・上野の国立科学博物館を訪ねます。
ホモ・サピエンスはどうやって世界に広がり、現在の我々につながるのか?幼い頃から(!)人類の進化に興味を持ってきたという海部さんはやがて、「我々の祖先はどうやって日本に渡ってきのか」という問題に強くひかれ、ついには当時あったと考えられる素材と道具だけで海を渡る実験にとりかかります。
薄い貝殻で草や竹を切って舟を作り、磁石や羅針盤に頼らず海を行く。
3万年前の人々と同じ条件で台湾から日本にたどり着こうというロマンあふれる計画です。
お2人のトークでハッとさせられたのは、当時は地図もなく海流の知識もないはずだから、その前提でどのように海を渡ったかを考えなければならない、という海部さんのお話でした。
3万年前の状況を想像し、当時の人々のモノの見方・考え方をいわば追体験しながら思考を深めていく。
学問だから証拠がなければいけないが、そこから「こうだったに違いない」と思ってそれを突き詰めていくことが面白い発見につながる、という海部さんのお話に満島さんも深くうなずいていました。

後半のトークは芸能活動を始めた満島さんが、暮らしていた沖縄から東京に出てきた時に通っていた都内の中学校で行われました。
ドラマ『トットてれび』では黒柳徹子さんを、最新映画『海辺の生と死』では戦時下の女性を、と、さまざまな時代のさまざまな女性を演じてきた満島さん。
トークではこうした役柄を演じるための準備について、明かして下さいました。
文章で残っていることや映像で残っているもの、本人にインタビューしてわかりうることはできるだけ取材すること。
場所があったら現地に行って、そこであえて取材ということを忘れて暮らしてみること。
そうした裏付けと、それに基づき想像力を働かせる作業があって初めて、リアルな感情を演じられるのだそうです。満島さんの「俳優の仕事はペテン師だとは思っているけど、うそだけはつきたくない」という言葉がとても印象的でした。

via 想像力が仕事力! | SWITCHインタビュー ここだけの話:NHK

心に響いたこと

それぞれの立場(職業)から、自分なりの方法で深く、深く、その対象を調べていく、理解していくという作業。

心に響いたのは、それぞれの手法。

海部さん

3万年前の日本人のルーツを調べるのに、『今、やってみる』を実践。

以下のプロジェクトを進めています。これは知っている方多いのではないでしょうか。

↓番組中のフレーズです。(耳コピなんで、正確じゃないかも)

「昔の人を分からなければ、現代人のことなど分かるわけがない」
「現代人たちだけを調べても、現代人たちのことを本当に分かるわけがない」

印象的なフレーズです。

ルーツを追い求める。

研究者だから、何かものを伝えるには、証拠が必要。
証拠を見つけるの自体大変な作業ですが、見つけてからは想像力が勝負!

これが見つかったというコトは、こういうコトがあったというコトでは無いか??

を、ひたすら突き詰める。

起きたことを正しく理解、そしてそれを人に伝えるために、こだわっているコトが、私が(上っ面だけかもしれませんが)知っている研究者と、一線を画するコトなのかと感じました。

満島さん

役になりきるためには、その役を理解するコトが必要です。

通常は(といいながら、私は通常を知らないのですが)、台本を読んで、台詞を覚えて、実際に演じてみる。
きっと、これの繰り返し。

会社員もそうですが、俳優さんも、物事を覚えるためには、個々人の工夫はあるのでしょう。

満島さんの場合、役を理解することに対するための、その工夫が独特。

まず、可能な限り取材をする。

取材するというコトは、その現地に赴く。
そして、その現地の方にインタビューする。
空気を感じる。
時間が許せばそこにしばらく住む。

なかなか出来ないコトだと思いました。

そして、満島さんは言います。(これも耳コピなんで、正確じゃないかも)

「その役のルーツを調べる作業をしているんです」
「研究者の方々と、きっと同じコトをしている」

表面だけ理解したつもり、だけでは足りない。

印象的な演技、その実力は、こういった地道な作業があってこそ、成り立っているんだ。と強く感じました。

おわりに

『プロフェッショナル』に触れる機会はそうそうありませんが、この番組はそのプロフェッショナルたちが忌憚なく、しかも異業界の方同士でその本質を語り合うという、とてもいい番組だと私は思っています。

読書とはまた違った知見が得られるのと同時に、自らの考えが深まります。

特にこの会は印象深かったので、紹介させていただきました。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


↓満島さんの出演している作品です。

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